岡山県立博物館
暑い季節となりました。熱中症対策には、水分と塩分の補給が欠かせません。コロナ禍がなければ、海水浴場も大いににぎわう季節です。
 今回は塩と海について。四方を海に囲まれた日本では、塩は海水から得てきました。海水を濃縮すれば塩が取れるわけですが、海水の塩分濃度は3%程度なので、水分を相当にとばす必要があります。弥生時代、古墳時代の人たちはどのような工夫をしたのでしょうか。大量の海藻を用意して、それに何度も海水をかけて水分を蒸発させ、濃い塩水を作ってそれを土器で煮詰めて塩にするという方法を用いました。土器製塩と呼ばれています。
 これは何だろうという写真ですが、平たいものは全部塩作りに使った土器の破片です。収蔵品の1つで、50センチぐらいある厚い土器堆積層の断面をはぎ取ったものをアップで示しました。長時間にわたって塩水を煮詰めるため、一度の操業で土器は壊れてしまい使い捨て。その結果、土器の層ができるのですが、相当な量の塩を作ったことがわかります。遺跡は玉野市出崎半島の浜辺にある出崎長崎遺跡。古墳時代後期、7世紀のはじめ頃の遺跡です。
 水分を蒸発させるには炎天下が効率的なので、「暑いなあ」と言いながら作業に励んでいたのでしょうか。